ムダに楽しく、ビスコッタ

Notリア充。アンチVery。 どうしようもないオンナ30代。いかに東京を遊びつくせるか。

“イイモノ”でも、勝手に売れない

ドラマ『重版出来!』にハマってます。
先日の第2話は、売れ始めてきた漫画家(とても素直)とそれを支える編集者(すんげー熱い)に、
営業部門(最初はやる気なし。でも途中で覚醒)の「売る力」が加勢し、新刊プロモーションキャンペーンが成功したお話でした。

これ。
広告業界の人間からすると、マジで他人事とは思えない。よって号泣。
営業部長の「良い漫画でも勝手に売れているのではない、俺たちが売るんだ」という台詞が、
「あーそうなんだよな、良い商品でも“伝え方”をミスると売れないんだよな、いろんな人のおかげで奇跡が起こるんだよな」と、深く納得。
『生み』のつらさも、『広げる』大変さも、痛いくらいわかる…。

ちなみに、これを広告に置き換えた場合、
「漫画=クライアントの商品」、「編集+営業=広告代理店(メディア)」となります。

広告会社は、クライアントにとっては、「商品(または会社自体)を広げるために存在している営業支援のスペシャリストたち」です。
だから、広告側は、好き勝手に作品を作っていちゃ困るんですよ。商品が売れないと意味がない。
就活生とかでたまに、広告会社を芸術家集団だと思っている人がいますが、全く違います。
我々が生むのは、ビジネスクリエイティブ。
ここを間違えるとかなり痛い目みます。

ただ、もちろん、広告を請け負う側の中にも、
企画を売る人や、企画を考える人、作る人たちがいます。
営業(プロデューサー)、広告プランナー、ディレクター、クリエーター等々、いろいろ役割があって、
会社によってはそのいくつかを兼務しています。(ちなみに私はプランナーとディレクター、たまにライティングを担当しています。)

誤解を恐れずにいうと、
私たちプランナーは、まず社内の営業を納得させなければなりません。
営業というのはたいていクライアントの要望を聞きすぎるので(私も元営業)、
それに合わせると、ぜんぜん面白くないものができてしまうケースがあります。

世間と商品にコミュニケーションをとらせるのが我々の仕事。
いい温度感を探り、クライアントに納得してもらうためには、
優れた営業とまともな制作のタッグが必須なのです。
営業と制作がうまくいかない案件は、
どれだけ制作に時間をかけようと、成功しない。

漫画家と編集と営業がタッグを組んで、はじめて漫画が育つのと同じ。

世の中には、埋もれてしまっている“イイモノ”がたくさんある。
正しいプロモーションをつくるプランナーでありたい。

TKda黒ぶちの武士道

勝ち続けている人の孤独とキツさは想像できるし、
それでも挑み続ける強さには心からリスペクトを送りたいけれど、

本当に本当に勝ちたい勝負で、
自分の負けを認められることの凄さを、
TKda黒ぶちから教えてもらった。

R-指定とのバトルは名勝負。
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MCバトルは、言葉で相手を罵倒する戦いである。
ダンスやDJバトル以上に相手を傷つける。
だからこそ、観客はよりMCバトラーに共感するし、
その戦い方に美学を求める。もし“負けの美学”という言葉を、
「礼節」と解釈するのであれば、
まさにTKda黒ぶちの戦い方にこそ、その美学を強く感じる。

戦極MCバトルの正社員氏はチコカリートのことをサムライと呼んだらしいが、
個人的には、TKda黒ぶちこそ、MCバトル界のサムライだと思う。

そんな彼の武士道が哲学となって表現されているアルバム、
『LIFE IS ONE TIME, TODAY IS A GOOD DAY.』

日本語が美しいHIPHOP
日本語じゃないといけないHIPHOP

ダンサー時代は黒人に憧れたし、
音楽も海外のものを好んで聴いてきたけれど、
彼のリリックを前に、
あぁ、原文で感じれる日本人でよかったと、素直に思った。

また今度、感想をじっくり書きたい。
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『重版出来』 黒沢の才能

珍しく早く帰ることができたので、とりあえずTVをつけてビール片手に生姜焼きを食べていたら、
『重版出来』のドラマが放送されていて、まんまと泣されることになった。

『重版出来』は、過去に一世を風靡した『働きマン』のような熱血ワーキングドラマで、
新卒を女性編集者を主人公としている。
その主人公・黒沢がまっすぐすぎて、良いやつすぎて、かなりおもしろいのだが、
なんとなく『ワンピース』のルフィを彷彿とさせるその姿に、
仕事をする上での"初心"を思い出させてもらったような気がした。

30代になると、ある程度自分の成功体験ができてくる。
若手のまだ経験の浅い子と比較して『自分、まぁまぁすごいんじゃね?』と勘違いすることもある。
でも、それは"井の中の蛙"であり、"裸の王様"である。

恐ろしいことに、そういう勘違いを叱ってくれる人がいなくなるのが30代。
自分で自分を律するしか、成長する方法はない。

『重版出来』の黒沢は、おそらく天才だと思う。
なぜなら、普通の人なら簡単に調子にのるだろう褒め言葉や、
自分の手柄などに、終始謙虚だから。

柔道でオリンピックを目指していた過去から推測するに、
そもそも人として器がデカいのだが、
その大きな影響力の根源は『すんげーイイヤツ』という以外、他ならない。なによりの才能だ。

私は天才でもないし、
才能があるわけでもない。
つまりはすんげーイイヤツではない。ほど遠い。
でもだからこそ、黒沢みたいな天才を前にして、「あぁ、このままだったら私はここで終わるなぁ」としみじみ感じた。
そして、こんなところで終わってられないなぁと強く思った。
“新卒の初心”に、“8年間の積み重ね”が、負けるわけにはいかない。

ドラマは毎週火曜日、夜10時放送しているようだ。
大嫌いな週の真ん中、水曜日。
その朝の景色が、すこーーーしだけ、変わって見えるかもしれない。