ムダに楽しく、ビスコッタ

Notリア充。アンチVery。 どうしようもないオンナ30代。いかに東京を遊びつくせるか。

フリースタイルダンジョンにハマった理由

般若VS焚巻のバトルがSNSでバズっていたので、
もう無視できないなぁと思って見てみたらまんまとハマった番組。


#9/フリースタイルダンジョン

私は昔ダンサーだったので、ダンスバトルにも出ていた。
当時はそれなりに勝ち負けにこだわっていたけれど、
ある時を境に、「ダンスで勝っても負けても、世の中なんも変わんないなー」って思って、
すんごい冷めて、急にバカバカしくなってバトルに出るのをやめた。
ほんで、ダンス界から足を洗った。


誤解を恐れずに言うと、
ダンスもラップも、バトルは"子供の喧嘩"だ。

魂のぶつかり合いとか―。
レぺゼン出身地とか―。
相手に自分のHIPHOPを見せつけるとか―。

そんなもん、このコンクリートジャングルでは、腹の足しにもならん。
バトルに勝ったところで、微々たる金にしかならん。
のし上がったところで、食えるためのスキルということにはならん。

それでも、言いたいことも言えないポイズンな世の中で(DOTAMA戦もよかった)、
「もしかしたらマイク一本で、自分と、他の誰かの世界が変えられるんじゃないか」
「この先にHIPHOPドリームが待っているんじゃないか」
そういう若い希望と意地がぶつかりあって、それがすごい奇跡を生んで、"最高にアッツい戦い"をヘッズに見せてくれることがある。
嫌な事全部吹き飛ばしてくれるような、すんごいパワーの元気玉が生まれることもある。

だからやっぱりちょっと変わった世界なのだけれど、はまる理由とそのまま癖になっちゃう中毒性はあるのだ。


それに、フリースタイルダンジョンは、アングラのバトルにくらべて、
名前を売る良い機会だから、チャレンジャーは必死。
それこそ、HIPHOPドリームがあるのかもしれないし。

番組としても、ラップバトラーたちはお客を意識できるスキルを持っているから、一般受けがしやすい。
これがダンスバトルだと、身内ウケばかりで視聴者を置いていくことが安易に想像される(意外とストリートダンサーは一般人を意識しない)

私は、アングラなストリート系のバトルが、テレビ番組として成り立っていることがうれしかった。
そして"日本語ラップ"の未来が少し楽しみになった。
だって、ここからさまざまな広がり方が期待できるから。
まぁ腐女子にまで人気が広がっていることはさておき、フリースタイルダンジョンの視聴者の中から、実際の現場に足を運び、HIPHOPにハマる人が出てくれば、確実にパイが増える。

一度現場に行けば、きっともっと深くハマれる。
それは『ヘッズがお金を払って見に行く価値がある文化』を作ってきた大御所ラッパーさんたちと、
実際にお金を払ってきたヘッズたちが"ホンモノ"を大事大事に育ててきた功績だと思う。
現場がホンモノであるからこそ、この勢いをうまく吸収し、活用できることを願う。

バトルだけではなく、音源の質がもっともっと上がっていけば、
フリースタイルダンジョンでバトル好きになった人たちが、さらにHIPHOP好きのヘッズとして長く味方になってくれるかもしれない。

このブームを活用するために、ラッパーには、もっともっと良い音源をたくさん輩出してほしいと願う。マジで。