ムダに楽しく、ビスコッタ

Notリア充。アンチVery。 どうしようもないオンナ30代。いかに東京を遊びつくせるか。

焚巻のB-boyイズム

フリースタイルダンジョンでの名勝負といえば『般若VS焚巻』戦で、あれを観てハマった人も多いと聞く。
うん、何度見てもすごいバトルだと私も思う。

ただ、焚巻個人でいえば、R-指定のモンスター不敗神話を崩壊させた人として、なんかどうしても好きにはなれず(圧倒的に強い設定のキャラが簡単に負けるなんてありえない!というジャンプ王道オタク)、
そのため、彼のバトル動画も音源もそんなに積極的に触れずにいた。

そんな中、先日のダンジョンで、まさかの隠れモンスターとして登場。


#24/フリースタイルダンジョン

結果、サクッと敗北。

実になんとも言えない気持ちになって、
特にすっごい応援していたわけではなかったのに、変な悔しさを引きずることになった。

むむむ。

とにかく私が焚巻に思ったのは、
「なんで、このタイミングでもう一度フリースタイルダンジョンに出たの???」
ということ。
せっかく前の般若戦で奇跡のようなバトルをかまし、
賛否両論はあるにせよ、R-指定も倒し、
動画もバズり、
ファンも増え、
ライブのゲストが増え、
HIPHOPドリームの階段を、ほんの少しのぼることができていたかもしれないのに。

もし私が焚巻だったら、今はぜっっっっったいに出ない。
もう少しあの般若戦のバス効果を使って、活動を頑張ってみる。
そして効果がなくなってきたときにもう一回チャレンジャーとして出る。
まだ効いている最中に、簡単に負けて前回のボーナスを減らすようなことはしない。

むむむむむむ。

他人ごとながら、前回放送後から悶々と考え込んでしまい、
変に焚巻のことを気にしはじめた。

そこで見つけたインタビュー記事がこれ。

フリースタイルダンジョン出演で話題のラッパー、焚巻に会ってきた! - 耳マン


フリースタイルダンジョンの二回目登場時の編集だと、
「俺はもうモンスターレベルだしー。てか、もう一回かませば、ライブが増えるしー。」みたいなに調子乗った焚巻が、
実力派の押忍マンにあっさり負けた…と感じた人もいたのかもしれない。
でも、このインタビューをみる限り、
彼はバカでもなければ、
ましてや調子に乗っているわけでもない。
むしろ、般若戦をものすごく冷静にとらえていて、
自分の実力とラッキーな部分、そして現状をしっかり理解している。

そんな彼が、今回、前回の好印象を消すかもしれないリスクを冒してまで、
モンスター側で登場したのはなぜか。

ここからは私的な考察になるのだが、
『負けるかもしれない不安』と、『勝つ自信』を天秤にかけたとき、
たとえ不安があってとしても、『勝つ自信』に賭けなきゃいけないのが、彼のHIPHOPなんじゃなかろうかと。
そういう不器用さが、ゆずれない彼の美学なんじゃなかろうかと。

だから、焚巻は出演オファーを断ることをしなかったんじゃないか。
そういう挑戦から逃げなかったんじゃないか。
HIPHOPは、それぞれの美学が芯となる。
つまり、それは生き方そのものである。

私はブレイクダンスバトルで、何度か、泣けるほどの熱い戦いを見てきた。
それは、単にダンスのバトルだけではなく、
“生き方(B-boying)”のぶつかり合いだった。

まさに、般若VS焚巻のバトルのように。

このような考察に落ち着いてから、
焚巻のバトルをかなり見るようになった。


9SARI HEAD LINE #47「KING OF KINGS FUTURE EXHIBITION 2015!!」

彼は根っからのチャレンジャーだ。
いくらうまくなっても、でかくなっても、
常に挑戦することで本領を発揮するバトラーだ。

もちろん、界隈ではかなり名前が売れているので、
追われる立場だろう。
それでも、挑戦できるバトラーは稀有だ。

だから、『挑戦できること』が彼の才能であり、
焚巻が人を引き付ける理由なのだ。


今回のダンジョン出場で、
いろいろ評価は分かれたと思う。
心無いことをいうヤツもいるだろう

それでも、私は彼が逃げずに戦ったことに、非常に感銘を受けた。
そして、彼を好きになった。

オトコは"漢"でいれる限り、かっこいいのである。

焚巻は、まちがいなく、漢だ。